Lack is no accident

駆け出しハードウェアエンジニアの学習備忘録

【厳選】駆出しハードウェアエンジニアが読んでおくべき参考書・サイトまとめ

電気回路(交流回路解析)

担当する製品が強電FA系製品(分電盤など)であれ、弱電系製品(AV機器)であれ、交流回路は避けて通れません。

『基本からわかる電気回路』

初学者が躓きがちな瞬時値表示から極座標表示への変換もわかりやすくまとめられています。フレミング・ファラデーの法則や角速度など原理から解説されています。共振回路の解析や重ねの定理・テブナンの定理など、今でもよく見直します。

カラー徹底図解 基本からわかる電気回路

カラー徹底図解 基本からわかる電気回路

電子回路 

電子工作をする上で欠かせない知識。はやりのArduinoFPGAの登場で、開発におけるウェイトは年々小さくなってきてはいますが、基板設計やノイズ対策をする上で欠かせません。

『CPUのつくり方』

言わずとしれた神本ですね。雑談調の語り口でフランクに進んでいきますが、書かれている範囲は広く深いです。チャタリング対策・プルアップ抵抗・CR時定数(過渡現象)・発振回路(TTL/CR使用)などのアナログ回路、フリップフロップなどのデジタル回路、ALU・マルチプレクサ・レジスタ・メモリなどのコンピュータアーキテクチャアセンブリ言語と、守備範囲は非常に広いです。電子機器のエンジニアをするならハード・ソフト問わず必須の基礎知識が確実に身につきます。

CPUの創りかた

CPUの創りかた

  • 作者:渡波 郁
  • 発売日: 2003/10/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

『定本トランジスタ回路の設計』

エミッタ接地からエミッタフォロワ・プッシュプルなどトランジスタ回路の基礎がわかるようになります。学生時代に出会っておけば…。なお、掲載されているのは、増幅回路のみでスイッチング回路の解説は姉妹本『続・定本トランジスタ回路の設計』に譲ることになります。序章の「トランジスタは入力電圧によって制御される可変電流源」という記述が本書の肝かと。

Electrical Information

 抵抗値のE系列やパスコンデシベル単位など基礎的なところから、デジトラ入力抵抗・カットオフ周波数・コレクタエミッタ間飽和電圧など専門的なところまで、回路エンジニア必須知識がシンプルにわかりやすく書かれています。

回路シミュレータ_LTspice

 先輩から渡された回路図を実機がない状態で検討する際などに必要になります。

『電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編』

 CQ出版の書籍なども多数出ていますが、価格も手頃で内容もわかりやすく電子版もあるこちらがおすすめです。ツールの学習は実践あるのみなので、電子書籍で読みながらツールを試せるこちらは有難いです。

回路・基板CAD_Eagle

 回路図エディタであればBsch3VやExcelなどがレガシーなところですが、回路・基板・筐体設計(Fusion360と連帯して)が一気通貫でできるEagleが個人的にはおすすめです。Altiumも使ったことはありますが、無償版Eagleの方が資料も充実しています(操作性は断然Altiumが良いですが…)。

ツールラボ

こちらのサイトでは、部品ライブラリ作成(シンボル図・パッケージ図)から、自動パターン配線・GNDベタ作成・ガーバーデータ出力までEagleの機能を一通り解説しています。職場の設計資産では回路規模が大きく複雑すぎて初心者にはとっつきにくいです。この本では、PIC・LED・SWのみの簡単な回路・基板設計から解説されており、教材としての質は非常に高いです。フリー資料でここまで体系的に学べるのは素晴らしいですね。ちなみに著者は出版経験をもつ教育のプロだそうです。

デジタル信号処理_フーリエ解析

 電子工作をしていくと、音を扱いたくなったりしますよね?そんな時に必要な知識がフーリエ解析です。  

フーリエの冒険』

 単位取得が目的であればこの本は最短ではありませんが、深く理解したいのであればオススメです。微積三角関数から解説されています。また、解析ツールはスペアナなど無いのであれば、Audacityがオススメです。

フーリエの冒険

フーリエの冒険

  • 発売日: 2013/07/01
  • メディア: 単行本

組込みプログラミング_C言語 

 エレキエンジニアでもマイコンの知識などは必須です。仕事上関わることが多いこともありますが、趣味で自作する際にも有効です。技術の幅が広がります。

『プログラミング入門以前』

CPUとメモリ、入出力とバッファなどのアーキテクチャ、2進数・16進数変換、高級言語と低級言語などプログラミングに必要な周辺基礎知識が習得できます。

Cプログラミング入門以前

Cプログラミング入門以前

『Cの絵本』

 数値型・各種演算子、if文,while文,switch文などの制御文、関数の宣言・定義・呼出、配列・構造体・ポインタなどの基礎が例題を通して理解できます。図解なのでとっつきやすいですね。

Cの絵本 第2版 C言語が好きになる新しい9つの扉

Cの絵本 第2版 C言語が好きになる新しい9つの扉

FPGAプログラミング

『わかるVerilog HDL』

約15年前初版の古い本ですが、Verilog HDLの文法についてわかりやすく書かれています。Verilog特有の識別子・論理値・信号の定義などに触れた後に、assign文・always文を用いてフリップフロップレジスタ・カウンタ・メモリなどの基本デジタル回路の記述を解説しています。C言語とデジタル回路の基礎知識があればスイスイ読めるかと思います。

FPGAプログラミング大全』

Xilinx FPGAのシミュレータVivadoの使い方をマスターするための本です。Vivadoには論理合成・シミュレーション・高位合成と数多の機能が詰め込まれています。しかし、このVivadoは日本語対応されていないません。この本は日本語で書かれた唯一のVivadoマニュアルです。先に紹介した『わかるVerilog HDL』では基礎回路の記述のみ扱っていましたが、こちらではLチカやVGA回路など実践的な記述を学習し、実機を使って動かすところまで解説されています。ソースコードはサポートサイトより頒布されていますが、バージョンが古いため、制約ファイルの修正が必要です。私はZybo_z7-10を購入して動かしていますが、Lチカしか動きませんでした。

 なお、私は初版を購入しましたが、2021年2月には第2版が出るとのことなのでそちらをおすすめします。

FPGAプログラミング大全 Xilinx編

FPGAプログラミング大全 Xilinx編

  • 作者:小林 優
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: 単行本

筐体設計_機械製図・メカCAD 

図解力・製図力おちゃのこさいさい―図面って、どない描くねん!LEVEL0

エレキエンジニアでも、筐体設計を自分行う時もあると思います。そんな時に役立つのがこの本です。第三角法からはじまり、寸法公差やはめあいの概念もわかりやすく書かれています。ドリル形式なので手を動かしながら学べるのでオススメです。この本を読めば、単純な筐体の板金図面は書けるようになるかと思います。

Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版

 Fusion360の機能を効率よく学習したい方におすすめです。ペン立て・コマなど単純な課題を仕上げながら操作を学んでいく形式なのが良いです。3Dプリンタが自宅にあれば最高なのですが…。 

マークダウン記法

 文章作成をHTML形式で手軽に記述できるのがマークダウン記法です。ソフト界隈では有名ですが、議事録や日報・メモなどにも使えるためすべてのビジネスマンに非常におすすめです。1度覚えてしまえば資料作成の効率は格段にUPするかと思います。なお、はてなブログもマークダウンに対応しています。エディタにはコード・プレビュー画面がひとつになったTyporaがオススメです。

【マークダウン記法とは?】マークダウンの書き方を網羅的に解説

Linux

ドットインストール「UNIXコマンド入門 (全28回)」

 家電のIoT化が進んでいる昨今、エレキエンジニアもLinuxに触れる機会はあるかと思います。Linuxでは基本的にアプリのインストールもすべてCUI中心のため、コマンドラインの知識は必須です。ドットインストールでは動画で実践しながら学べるためオススメです。

ネットワーク

 通信機器のエレキエンジニアの場合、ネットワークの基礎知識も必要かと思います。

『まんがでわかるLinux

 ネットワーク設定で必要な基礎知識が体系的に紹介されています。初学者にはとっつきにくいコマンドラインですが、この本は、シス管に勤める新人OLが主人公のマンガ形式で解説されており、スイスイ頭に入ってきます。IPアドレスのクラスやデフォルトゲートウェイ(デフォゲ)やDHCPIPv4など基本的な事がわかれば、職場PCのネットワーク設定などもお手の物かと思います。

「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

門外漢にはわかりにくいIT用語ですが、このサイトではわかりやすい日本語で書かれています。若干くどすぎるきらいはありますが。現在でも日々更新されているようなのでオススメです。

英語

 データシートの読解やCADソフトの操作などに役立ちます。エンジニアとして他のスキルに比べて優先順位は低めですが、あって損はないです。筆者は学生時代に、565点⇢775点へ底上げできました。1度目は大学2年の夏に、海外小説好きが高じて受験。2度目は大学3年の終わりに、研究室の自由課題がきっかけで受験しました。ここで好きこそが上達の近道であることと、アウトプット(音読)の重要性を再認識しましたね。

TOEIC(R)テスト 基本例文700選 TTTスーパー講師シリーズ』

高校英語の名著『新・基本英文700選 』のTOEIC verです。もとの『新・基本英文700選 』も文法を復習できオススメですが、こちらはTOEIC試験に最適化されています。本番でも似たような問題が出てくるので、こちらの例文を毎日音読することで脳に染み込ませれば、本番でも即答できるかと思います。音源付きなのも嬉しいところ。

クリスティ本の耳読  

 毎日TOEIC勉強していても「俺何してんだろ?」ってなる時もあるかと思います。モチベーションを保つのに有効なのが、自分の好きな本の耳読です。私はアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』のオーディオブックを毎日聴いていました。はじめは読解に時間がかかりますが、以降は物語がスラスラ入ってきて楽しいですよ。